偽善エコロジー

  • 2008/06/15(日) 20:22:49

 きょう日曜日の紙面には書評が出ております。いつもいい本が紹介されていると好評です。今日はその中から気になる1冊を紹介します。


2008/6/15付 世界日報10面 【読書欄】より 
 《書評》
 偽善エコロジー
     武田 邦彦著(幻冬舎新書)
環境問題のウソを科学的に指摘
 「環境への配慮」という言葉は、今や当たり前のように使われている。6月5日は国連「世界環境デー」。日本でも「環境の日」と定められ、先日もテレビ各局はさまざまな特別番組を放映していた。

 しかし、日常的に私たちが「環境のため」と思っていることの多くが“無意味”だと知ったらどうだろう。レジ袋追放もエアコンの温度を28℃に設定することも温暖化防止には何の意味もなかったら――。

 本書は、私たちが「環境に優しい」と思い込んでいる行動の中にさまざまな錯覚や幻想があることを、科学的な立場から解説したものである。レジ袋はもともと、以前は使えなかった石油のある成分を残らず使えるよう技術開発して生まれたもの。つまりレジ袋自体が優れた「廃物利用」品だった。客に無料で提供できたのもそのためだ。

 ところが、それが「資源のムダ遣い」と悪者扱いされ、製造にさらなるエネルギーの必要な「エコバッグ」が推奨される矛盾を著者は指摘する。

 さらに、ペットボトルは高温できれいに燃え、他の生ゴミなどの助燃材としても優れているため燃やす方がよいこと、森林を健全な状態に保つには一定量の伐採が必要なので古紙リサイクルは必要ないこと、ゴミの分別は意味がないこと、ダイオキシンは実際は危険ではないこと、温暖化はどんな方法をもっても防げないことなど、驚くような内容ばかりである。

 本書は、「エコ運動・リサイクル」という名前の裏に隠されたウソや巨大な利権に群がる人々によって、善意の人たちが無意味な出費や手間を当然のこととして受け入れている現状に対し、正直で誠実な科学者が静かな怒りを込めて書いたものである。その憤りの矛先は、無責任にエコブームをあおるマスメディアにも向けられている。

 心の貧しさを物質で埋めようとする日本人が、大量消費する後ろめたさを紛らわすために、ことさらリサイクルを叫ぶのでは、という著者の指摘は重く心に響いてくる。 (辻川みのり)


The Sekai Nippo Co.,Ltd. 1975- Tokyo,Japan

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事に対するコメント

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

  • 投稿者: -
  • 2008/06/16(月) 12:33:53
  • [編集]

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

  • 投稿者: -
  • 2008/06/16(月) 12:34:06
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する