人権擁護法案の危険性

  • 2008/06/07(土) 21:05:37

  「政府インターネットテレビ」 をご存知ですか?内閣官房及び内閣府が、ネット動画を使って政府の情報を提供しているものです。その中の22ch(トピックス)で、横田めぐみさんの拉致問題を扱った アニメ「めぐみ」 が放映されてます(08/3/28付けアップ)。一度ご覧になってみてください。あらためて横田さんご夫妻の悲痛な胸の内が伝わってきます。



それでは、本日の記事紹介です。

2008/6/7付 世界日報3面 【社説】より
人権擁護修正案/言論を脅かす危惧も残る

 人権擁護の名を借りて逆に「人権侵害」や「言論弾圧」を招かないか。そんな危惧が持たれる人権擁護法案の修正案が自民党人権問題調査会(会長・太田誠一元総務庁長官)から示された。
 修正案は人権侵害の類型を列挙して定義の曖昧さを解消し、人権擁護委員は日本国籍を持つ者に限り、過料制裁を除外して人権委の権限を縮小するなどとしている。だが、これでも危惧が解消されたとは言い難い。依然として同法案をめぐる根本的な問題点が放置されたままだ。

あり得る恣意的な利用


 差別や虐待などの人権侵害が生じれば速やかに救済し、人権を擁護する。このことが民主主義社会に必要なのは言うまでもない。

 そのために現行の司法制度があり、個別の法整備としては「児童虐待防止法」(2000年)や「配偶者暴力(DV)防止法」(01年)、「高齢者虐待防止法」(05年)などもある。また行政では法務省の人権擁護局がその任に当たっている。

 それなのになぜ、新たな包括的な人権擁護法が必要なのか、修正案はこの疑問に応えていない…

国連規約人権委員会が1998年に政府から独立の人権救済機関設立を日本政府に勧告したが、これは主に警察や出入国管理局、刑務所などの公権力による人権侵害の救済措置を求めたものだ。これを根拠にするなら、公務員による人権侵害への対処に絞った「独立性」のある人権救済機関の在り方を議論すればよく、国民すべてを対象にする人権擁護法など必要ないはずだ。

 修正案は、定義が曖昧とされた人権侵害について類型を示しているが、その中には「反復して行う差別的言動」「差別的取り扱いを誘発する差別的助長行為」などとあり、相変わらず曖昧さを残している。これでは「恣意的」な利用の危惧は解消されない。

 人権委への疑問もそのままだ。過料を科さないと言っても、令状なしでの関係資料の押収や立ち入り権限を与えており、権限が縮小したとは言えない。また国籍条項を設けるとするが、委員は「弁護士会その他の人権擁護を目的とし、又はこれを支持する団体の構成員」(法案23条)から選ぶのも変わらない。

 これでは、委員は弁護士会と人権擁護を目的にする「市民団体」から起用されることになる。だが、一部弁護士会は学校での国旗掲揚・国歌斉唱の職務命令も「人権侵害」と主張し、「女性戦犯国際法廷」といったイデオロギー色の強い左翼団体も人権擁護を目的とする「市民団体」と名乗っており、こうした団体から多数の委員が加わる可能性がある。

 人権委は国と都道府県、すべての市町村に設けられ、委員の数は最大2万人だ。その人権委がイデオロギー的支配に陥れば、恣意的な利用がまかり通り、人権擁護の名を借りた「言論弾圧」が現実のものになりかねない。

従来の機関で対応可能


 修正案は名称を「話し合い解決等による人権擁護法案」に改め、制裁措置を民法上の「不法行為」に限り、申し立て自体を不服として対抗措置を取れる制度も創設するとしている。それならば、何も新たな制度を設ける必要はなく、従来の裁判所や法務省の人権擁護機関で十分に対応できることだ。

 それでも法案が人権団体対策として必要との一部主張があるが、それが不十分なら、どういう問題があるのか、実情を把握して対応すればよいことだ。どう見ても修正案には説得力がない。

The Sekai Nippo Co.,Ltd. 1975- Tokyo,Japan

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