岐路に立つ民主オバマ

  • 2009/08/24(月) 17:13:25

 毎日暑い日が続きますが、朝方の涼しさのなかに秋の気配を感じるようになってきました。今年は、梅雨明け宣言後も雨が続いた影響で、本当に夏らしい日が少ないままに秋を迎えてしまうのかなという感じです。

 先月末からの各町会の暑気払いや盆踊りには、各政党候補や応援の議員が入れ替わり立ち代りやってきては宣伝をしていきましたが、果たしてその行方はどうなるやら…。

 某政党もこのまま秋を迎えてしまうのでしょうか…?


 それでは、本日の記事紹介です。米国の“本家民主党”大統領も、当初の人気とは裏腹に期待を裏切りつつあるという現実を伝えております。
2009/8/24付 世界日報16面 【ビューポイント】
オバマ政権、岐路に立つ夏

 不支持率膨らむ閉塞感

アメリカン・エンタープライズ
            政策研究所客員研究員 加瀬 みき


 国内外の絶大な支持を背景に、米国が抱えるさまざまな課題を一気に改善することが期待され発足したオバマ政権だが、半年後の今、大統領のネット支持率は大きく低下し、政策の行方は混沌としている。いくつもの大きな課題に同時並行的に対応する政権は、個別政策の躓きが他をも巻き込む危険に直面している。

 支持率だけを見ると、オバマ大統領に対する国民の信頼はあまり変わっていない。就任時7割近くだったが今でも50%から58%はある。しかし、概ね10%台であった不支持率が4割前後まで膨れた結果、ネット支持率はギャラップ社の調査で、就任時56%が、最新調査(8月11―13日)で15%まで落ちている。期待が大きければそれだけ下降線も険しく、またオバマ政権が膨大な問題を当初から抱えていたのも事実である。しかし、この半年間でオバマ政権の甘さや欠陥も見え始めた…

 景気刺激策は早々と打ち出され、確かに一部で恐れられたような米国経済のクラッシュは無かった。しかし、失業者はいまだに毎月6桁単位の規模で増え続け、今年後半には失業率は10%台、来年は11%台になると見られている。先週発表された消費者物価も下がっている。

 国民が一番心配し、あらゆる政策の足を引っ張っているのが財政赤字であるが、本年度の予測は1・8兆?、議会予算局(CBO)の予測の中には、2020年には財政赤字がGDPの87%になるというものまである。政権ですら、2019年まで1兆?以上の赤字を見込んでいる。一方、一世帯あたりの借金は可処分所得の130%、住宅ローン支払い遅延が3―6月の間に13・8%増加している。にも拘わらず景気刺激策効果のピークは過ぎ、来年1月にはそれがゼロになる。

 外交政策上の進展もなかなか見られない。ガンタナモ収容所閉鎖は国内ばかりでなく各国から大きな拍手で迎えられたが、囚人を引き受ける国はほとんどなく、米国内でも国民は地元の収容機関への受け入れを硬く拒んでいる。戦地で捉えられたことから十分な証拠がないなど裁判にかけることも難しい。

 北朝鮮とイランの核問題にも前進がみられない。北朝鮮が核保有国として2国間交渉を望んでいるのを受け入れるのは米国としても是非とも避けたい。一方、多くのイラン国民が選挙に不正があったと抗議するアハマディネジャド大統領と交渉を進めるわけにもいかない。状況を見守るうちに両国の核開発進展が懸念される。また、米政権がイランに対し柔軟になるほどイスラエルは軍事攻撃の必要性を強調する。スエズ運河を通り潜水艦をイラン沖まで航海させたのは、オバマ政権へ大きな圧力をかけたと見るべきであろう。

 ロシアとの関係見直しを図ってみたものの、ロシアのグルジアやウクライナへの強硬姿勢は一向に変わりなく、中・東欧諸国からは米国の同地域防衛決意に対する不安の声があがっている。中国は着々とその影響力をアフリカやアジア諸国に拡大し、軍事力を強化、基地を建設しているが、米国は中国に赤字を埋めてもらわざるをえず、強硬姿勢には限界がある。

将来占う医療改革とアフガン


 政権の将来を占うのが医療制度改革とアフガニスタン情勢である。

 医療制度はこのままでは国家財政を破綻させること、そして多くの国民が何の保険制度にも加入していないという問題点を抱える。対策の必要性は誰もが認めるが、オバマ氏が約したように中産階級の税負担を増やすことなく国民皆保険を実現させ、かつ財政負担を減らす対策は見えてこない。CBOは当初の下院案では財政赤字が今後10年でさらに2400億?増えると警告した。

 赤字削減には、無駄を省き、さらに増税も必要となる。高齢者や末期患者が犠牲になる、あるいは医師や治療を選択できない可能性が語られ、予防医療を重視すればさらに財政負担が増えるという試算などが飛び交い、国民は議会から出てくるさまざまな案への信頼を失い、不満が膨らんでいる。地域集会では地元議員への罵声が飛び、オバマ氏は夏休み前に必死の防戦を余儀なくされていた。

 この夏のもう一つの大問題がアフガン情勢である。選挙が比較的平和に、公平に行われ、その結果を国民が受け入れることが基本条件である。それが達成できてもカルザイ氏あるいは別の大統領に国土全体をまとめる力があるかは疑わしい。オバマ政権になっても軍事的には他国からはほとんど支援を得られず、米国はますます多くの兵を投入している。さらなる増兵の必要性がすでに議論されており、ベトナム化という声が聞こえたりと先行きへの不安が漂っている。

 しかし、オバマ氏は選挙中からアフガンこそが本当の戦いの場と位置付けており、むざむざ撤退することはテロ対策上はもちろんのこと、政権の威信という点からもできることではない。一方、医療制度改革の行方はオバマ氏の公約への信頼が問われ、さらには責任ある経済・財政運営を果たせる政権か否かの判断を下されることになる。

 雄弁さと理性がオバマ氏の力であった。しかし、職や財布の中身、住む家があるか、自分や家族の病気治療は、と怯える国民にオバマ氏がどこまで情熱的に共感を表現できるかが、政権の将来を決めることになる。

The Sekai Nippo Co.,Ltd. 1975- Tokyo,Japan

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『北朝鮮と台湾の関係』 核廃棄物

核開発などで何かと話題に上る北朝鮮と台湾の以外な関係をまとめてみましたので
ご参考まで。

 http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00241/contents/500.htm

 http://72.14.203.104/search?q=cache:Dgo-61n9W8sJ:nippon.zaidan.info/seikabutsu/2004/00241/contents/500.htm+%E6%A0%B8%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9%E3%80%80%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%80%80%E6%9D%8E%E7%99%BB%E8%BC%9D&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=2
 
  日本財団 図書館
  1997/06/10 世界週報

  必ずしも足並みがそろわぬ米側の対応

  加えて、四月一二日、李登輝総統は、イギリスの賓客との会見の中で、
  北朝鮮問題とそれに関する台湾の対応策に言及したといわれる。
  だが、かねてから話題となっていた台湾の核廃棄物を北朝鮮で処理する問題については、
  既述のギングリッチ米下院議長ですら李登輝総統との会見で抑制を促したもようである。

 http://ritouki-aichi.sblo.jp/article/31540733.html?reload=2009-08-27T15:15:16
  愛知李登輝友の会ブログ
   2009年08月23日
    のコメント欄をご覧ください

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