いつか来た道

  • 2009/02/27(金) 23:21:21

 昨日は、ワールド・フォーラム(代表幹事:佐宗邦皇)という団体の定例講演会に参加してまいりました。政治評論家の森田実氏と「王道日本」というシンクタンクの代表佐野雄二氏という2人の講師によるダブルヘッダーの講演でした。 森田氏は、
世界のプレスのアジア支局が日本から中国へ皆移ってしまった現状を紹介しながら、世界の目は米国よりもむしろ日本発の世界崩壊の危機を懸念していることを示唆。
さらに、中川大臣の記者会見の模様が全世界を駆け巡ったことで、「日本はこれで終った」と見られていると厳しい指摘をされました。

 小泉政権による郵政民営化批判とさらには電通批判を行ったことで、現在メディアからは仕事がこなくなったと自嘲気味に語っておられましたが、第4権力=マスコミと第5権力=外資によって、本当に日本は操られていると感じます。
もっとも信念を持った気骨ある政治家がいなくなってしまった事が、この国を一番ダメにしている原因でありまして、小沢民主党がいまだに次期政権政党としての正式な公約・政策発表もせずに、ただ敵失で転がり込んでくる政権の座を待っている姿勢は、小選挙区による2大政党制を唱えてきた人間として国民をないがしろにしているのみならず、じつにアメリカの言いなりになって自衛隊のアフガン派兵・武力行使を目論んでいるという聞き捨てならない情報を披瀝されました。
 また「王道日本」を主宰する佐野雄二氏は、昨年の11月に行われたG20における世界的な財政出動決議にも関わらず、日本においては小泉内閣以来の緊縮財政予算にいまだにとらわれ、景気が回復せずにどんどん地方が疲弊していることを指摘。また、地球環境と資源の存続のために、GDP中心の経済からの脱却を唱えておられました。

 お二方の講演を聴きながら、まさしく今の経済の状況は、いつか来た道をまた歩むことになりかねない危険性を多分にはらんでいる事を痛感いたしました。


 それでは、本日の記事紹介です。 

2009/2/27付 世界日報16面 【ビューポイント】
“第三次大戦”前夜の世界

  経済危機と保護主義化

                  国際問題評論家 盒供\


 昨秋、米国を震源地とする「100年に1度の経済危機」が世界を襲う前、イラク・アフガニスタンでの米国の躓きとロシアの復活、中国の台頭で、この調子では早晩、米国の一極支配は終わり、冷戦が復活するのではということがしきりに言われた。

確かに、昨秋の経済危機発生まで、ロシアは原燃料の世界的高騰の波に乗り、中国は超高度経済成長によって、欧米や日本の経済的覇権に挑戦してきたばかりでなく、余勢を駆って軍事力の拡充や行使でも米国の覇権に挑戦してきた。

一、二、例を挙げれば、中国は世界の北京五輪ボイコットの恐れも省みることなくチベット弾圧を強行したし、ロシアは南オセチアやアブハジアの分離独立阻止のために出兵したグルジアに対して公然と武力を行使、両地域を独立させて親露政権を拵えたが、米欧はなす術も無かった。昨年来のこの「押せ押せムード」は世界経済危機発生後も止んでいない。

 とは言え、米国の覇権に対するこの種の挑戦を即「冷戦の復活」と断ずるには無理がある。何故なら「冷戦」とは何よりもまず、「自由民主主義」対「共産主義」のイデオロギー対立であったが、ソ連は疾うに共産主義を放棄してロシアになってしまい、中国もまた、政治的には「一党独裁」だが、経済的には市場経済化し、「社会主義イデオロギー」は「中華民族主義」に取って代わられた…

更に「冷戦」とは米ソが持つ圧倒的な核ミサイルの破壊力のために「熱戦」はあり得ないという前提の下に成り立っていたが、中国の核ミサイル戦力が拡充され、インドやパキスタン、果てはイランや北朝鮮までが核を持とうとするに及んで、世界の「核秩序」は揺らぎ、「核戦争の敷居」は極めて低くなった。つまり、核戦争が何時、何処で起こっても奇怪しくない状態が生まれてしまったのである。これでは「冷戦」の出る幕は無い。

中東や極東など火種を刺激


 とすると、来るべき世界は「熱戦の巷」と化す他無いのだろうか。「熱戦」の、それも核ミサイル戦争のきっかけになる恐れが最も高い地域はと言えば、それはやはり中近東であり、極東である。

中近東では、イスラエルが存在し、核を持ち続ける限り、イスラム諸国はこれを容認できない。特にイランは自ら核兵器を持つ方針を曲げないだろうし、米国がイスラエルを支持する限り、アルカーイダやタリバンはパキスタンを通じて核兵器を手に入れる努力を惜しまないだろう。パキスタンの政情不安と政権弱体化が進めば進むほど、彼ら「武装勢力」が核を手に入れ(使用する)可能性は高まる。

今や「核のテロ」は現実の脅威となりつつあるのだ。一方、米国の抑制が効かなくなれば、イスラエルは躊躇うことなく核兵器を使うだろう。聖職者と世俗派の対立でイランの政局が収拾つかなくなる時が怖い。

 同じことは極東、特に北朝鮮や中国についても言える。平壌は米国が「金王朝」の存在を法的にも実質的にも保証しない限り核武装計画を捨てないだろうし、持てる核を外交的武器として最大限に利用しようとするだろう。しかも、政権内部の動揺によって核が使用される危険は常に存在する。

その場合、まず狙われるのは日本と韓国だが、米国は果たしてこれに対抗措置を取るだろうか。中国やロシアがどう出るか。確実に言えるのは、北が騒乱状態に陥った場合、北京は迷うことなく派兵して北を掌握するということだ。その中国にしたところで、現下の経済危機を乗り切れなければ「天下大乱」は不可避であり、「乱」は台湾海峡にも波及せずには済まない。このように、極東にも「熱戦の火種」が転がっているのである。

 こうした「熱戦の火種」に更に油を注ぐのが、昨秋以来の米国発の「100年に1度の経済危機」である。

20世紀の歴史は1929年のウォール街に端を発した「大恐慌」が世界経済のブロック化を招き、持てる国は市場の「囲い込み」に、持たざる国はその「分捕り」に走った結果、第二次大戦に至ったことを教えているが、それに輪を掛けた今次の世界的経済危機の結果、各国が生き残るためになりふり構わぬ排他主義、保護主義に走ったら世界はどうなるであろうか。

 米国はもとより世界の与望を担って颯爽と登場したオバマ米大統領だが、彼と米国民は果たして「バイ・アメリカン」の利己主義と保護主義の誘惑に勝てるのだろうか。

ローズベルトの「ニューディール」は2期目には行き詰まり、米経済は第二次世界大戦によって救われた。オバマの「グリーン・ニューディール」は果たして2期目まで持つだろうか。初の黒人大統領オバマには2期目といわず1期目にも暗殺の危険が付き纏っているだけに尚更である。

もし、米国が新たな恐慌を回避できずに、新たな孤立主義とブロック経済化に走れば、世界はこれに倣って、生き延びるために手段を選ばぬ「生存競争」に突入せざるを得ず、延いては第三次世界大戦を招き兼ねない。前述の通り、その火種はあちこちに転がっている。その意味で2009年は「第三次大戦」前夜なのだ。

(たかはし・ただし)


The Sekai Nippo Co.,Ltd. 1975- Tokyo,Japan

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