ナチ化する中国

  • 2008/09/01(月) 22:17:46

 今日は防災の日。小学校では引き取り訓練がありました。それにしてもこの東京という都市は、短期間に関東大震災(1923年)と東京大空襲(1945年)という2つの大災厄に見舞われながらもよくぞ見事に立ち直ったなと今さらながら感心します。

実は、関東大震災と東京大空襲の被害地域が重なっていることは偶然ではなく、アメリカ軍が関東大震災を徹底的に検証し、木造住宅が密集する東京の下町が火災被害に遭いやすいことをつきとめそこを攻撃目標としたためなんだそうです。(出典・ウィキペディア)

 「来る」と言われながらも東京にはまだ大地震はきませんが、「天災は忘れた頃にやってくる」「備えあれば憂いなし」ですので、「我が家でも真剣に考えねば」とさすがに今日だけは思いました。


 それでは、本日の記事紹介です。
2008/9/1付 世界日報16面 【ビューポイント】
ポスト五輪の中国の行方

 中華ファシズムに傾斜
  高まった自信と民族主義
                            外交評論家 井上 茂信


 ポスト五輪の中国はどこへ向かうだろうか。注目されるのは、中国は共産主義国家から離脱し、中華民族主義を基盤とした「ファシズム国家」の方向へ向かいつつあるとの見方が出ていることだ。米ワシントン・タイムズ紙で外交評論家のジェフリー・クーナー氏は「中国はもはや共産主義国家ではなく、世界最強のネオ(新)ファシスト国家となった。スペインのフランコ政権、チリのピノチェト政権などの右翼独裁政権に似てきた」と述べた。

 ファシズムとは全体主義の独裁政治を指す。もとは戦前のイタリアのムッソリーニがつくった「ファシスト党」による独裁政治を指した。その後、ヒトラーのナチス・ドイツ、戦時下の日本をも含めてファシスト国家と呼ばれるようになった。特色は個人よりも国家を重んじる全体主義で、一党独裁のもと思想統制および人権と自由の抑圧を行い、民族至上主義と対外拡張政策を基調とする。第二次大戦で戦った米英の民主主義と対比された。

 米シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)のマイケル・レディーン氏もファー・イースタン・エコノミック・レビュー誌で中国を「ファシズム国家」と批判していた。中国をもはや共産国家と見ない理由について、クーナー氏は「中国共産党はマルクス主義や中央集権の計画経済では経済発展はおぼつかないと考え、市場経済ルールを取り入れた一党独裁体制を選んだ」と、脱共産主義を指摘している。

 そういえば、北京五輪の特色はファシズム国家の特色である徹底した国家管理と愛国主義だった。共産主義国家の特色である階級闘争の主張は消え、その代わりに中華民族至上主義が五輪開催国の基調となった。

 中国政府は独裁権力を行使して会場周辺の貧しい住宅を取り壊し、100万人いたとされる出稼ぎ国民を北京から追い出した。警察官や警備員に加え、治安ボランティアを合わせた140万を動員し、首都の治安維持に当たった。ファシズム国家ならではの荒治療だ…

応援までが国家管理だった。中国人観客が自国選手だけを応援しては中国のイメージを悪くすると、「文明応援隊」なるものが組織された。学生など20万人規模で、当局から訓練され、どこそこの試合に行くようにと指示された。

 ファシズム国家に共通するのは、人権や報道の自由の抑圧だ。中国は五輪開催に当たっての公約を破り徹底した抑圧を行った。チベット仏教の指導者ダライ・ラマはチベット居住地域で中国軍が群衆に発砲し、百四十人のチベット人が殺されたと言っている。ウィグル、モンゴル人住民にも軍は発砲した。いずれも漢族の支配に抗議デモを行ったためだ。

 五輪期間中に中国当局から暴行を受けたり、拘束されたりした外国人記者は最低22人に上った。心配されていた大気汚染は車の通行規制や建設工事の差し止めに加えての人工降雨による浄化で大きな問題にはならなかった。テロも力によって抑え込まれた。

 それに加えてのナチスなみの金メダル・ラッシュだ。ナチス・ドイツ主催の1936年のベルリン五輪でドイツは米国を9個上回る33個の金メダルを獲得した。04年のアテネ五輪の金メダル獲得数は米国36個、中国32個だったが、今回は中国51個、米国36個と逆転した。金メダル・ラッシュは中国国民の愛国心と自信を高揚させた。自国の“偉大”さを国民に印象づけ、共産党の指導の正しさを教え、国をまとめ上げるという党の狙いは達成された。だが米紙ワシントン・ポストが「中国は『弾圧』でも金メダルを取った」と皮肉ったように中国の対応は全体主義国家の手口だった。

 ソルジェニーツィン氏によると、脱共産主義のあとに来るのは民族主義だ。第二次大戦中にナチスの進撃を受けた赤軍は2,000?の戦線で退却を続けた。大敗走は共産主義を拒否する兵士たちの“足による投票”だった。共産主義では兵士が戦わないことを知ったスターリンは「大祖国戦争」のスローガンを打ち出し、ロシア人の「愛国心」に訴えた。旧ユーゴスラビアのミロシェビッチ政権も共産主義から民族主義に改宗し、ユーゴ版「中華民族至上主義」ともいうべき「大セルビア主義」を掲げて、国をまとめた。

 中国人は「流砂の民」と呼ばれるくらい自己中心的で統治しにくい民族だ。彼らが金を尊ぶのは政権を信用していないからだ。党が社会秩序維持に孔子の教えまで利用しているのは、中国が国をまとめるために中華民族至上主義を土台にしたファシズムの方向へと向かっていることを示すものかもしれない。

 問題は中国流五輪が極めて効率的であったことから、アジア、アフリカ、中南米で、自由主義に対する全体主義の優位を示すものとして中国を手本とする動きが出てくる危険だ。共産主義から離脱したロシアは民族主義的な全体主義体制へと傾斜している。五輪で米英対中ロの体制の違いがいよいよ明確になった。

The Sekai Nippo Co.,Ltd. 1975- Tokyo,Japan

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